これまでの高齢者の橈骨遠位端骨折(いわゆるコーレス骨折)の治療はギプス固定による保存的治療が原則でありました。特に高齢者では手術や麻酔のリスクを考慮し、手が変形したり、手指や手関節が硬く動きにくい、いわゆる拘縮が生じてもそれは許容されてきました。
しかし、厚生労働省が定義する65歳以上の高齢者は現実的には高齢者と言い難いくらい活動性が高く、社会的指導的役割を果たしている人はまだまだたくさんおられます。これらの方々が長期間のギプス固定を受け、それによる手関節の変形や拘縮は彼らの社会的活動性を低下させる要因となります。また、一人暮らし高齢者が手関節を固定されると生活にかなりの支障を来します。
そこで私は患者の早期社会復帰を目指してより低侵襲で安全、かつ容易な手術方法を新しい内固定材料(プレート)を開発しました。(特願2003-015727)2003年厚生省の認可(医療用具承認番号21500BZY00035000)のもと、多数の医療機関で使用され、良好な臨床成績が得られています。
■手術方法
上肢だけの麻酔で日帰り手術で行いますので入院の必要はありません。もちろん、短期間の入院も受け入れます。手関節掌側に4cm程度のメスを入れ、写真にあるプレートを用いて、直接骨折部を固定します。固定は弾力包帯のみです。平均手術時間45分。合併症は感染ですがこれはどんな手術にもおこりうるものです。私自身の経験ではこれまで感染が生じ、プレートを抜去した症例はありません。
術後7~10日で全抜糸後、入浴・手洗いが可能となり、手指や手関節の運動が可能となります。プレートはフランスBIOTECNI社製、各種強度試験世界規格に合格したチタン合金製です。基本的にプレートの抜去は行いません。
手術は予約制で随時、行います。


