患者さまへ

胃腸

食欲不振

食欲不振は一般に消化管の疾患において、最も普通にみられる症状の一つですが、他のさまざまな病気でもしばしばみられます。

胃疾患(胃炎、胃がんなど)、肝疾患(肝炎、肝硬変、肝がんなど)のような消化器疾患だけでなく、感染症、循環器疾患、呼吸器疾患、内分泌疾患、血液疾患、妊娠など、多くの病気を考える必要があります。
しかし、食欲不振のみが症状としてあらわれることは少なく、発熱、貧血、浮腫、黄疸など、他の症状を伴う場合が多く、それらを手がかりに診断をすすめていきます。 以下にそれぞれの病気の要点を説明します。

  1. 消化器疾患では、胸やけ、吐き気・嘔吐、腹部膨満感、腹痛などの症状を伴います。胃疾患では胃炎、胃がんなど、肝疾患では肝炎、肝硬変、肝がんなどで食欲不振が多く、特に急性肝炎の初期では黄疸が出現する前に高度の食欲不振をきたします。(消化器科受診)
  2. 感染症では発熱、発疹などを伴います。(呼吸器科・消化器科受診)
  3. 心疾患・腎疾患では、体のむくみや、蛋白尿、高血圧などがみられます。(循環器科受診)
  4. 白血病などの血液疾患では微熱、貧血、咽頭痛、出血傾向、肝腫大などをみとめます(内科受診)
  5. 薬の服用、アルコールの飲用などでも食欲不振をきたすことがあり、注意が必要です。
  6. 神経質な人や、うつ病では、実際に内科的な病気がなくても多忙な仕事や、急激な環境の変化などで食欲不振をきたすことがあります。
  7. 脳の病気で嘔気、嘔吐を伴う食欲不振があります。(脳神経外科受診)

吐き気、嘔吐

嘔吐とは、食べた物や胃液が口を通って体外へ排泄されることで、吐気はこの嘔吐したい不快な気分をいいます。単に食べ過ぎのこともありますが、腹痛を伴っておこる吐き気、嘔吐では、一般的には、胃炎、胃潰瘍や、胆石、膵炎などの消化管や胆嚢、膵臓の病気が考えられます。
しかし、他にも多くの病気が原因で起こるため注意が必要です。例えば頭痛を伴った場合、脳出血や脳腫瘍など脳の病気が疑われます。また胸の痛みを伴った場合は狭心症や心筋梗塞のような心臓の病気が考えられます。 その他、妊娠中やストレスでも起こります。さらに糖尿病、腎不全(尿毒症)、肝不全などが悪化した場合にもおこります。
吐気、嘔吐とともに次のような症状があらわれた場合に、考えられる病気を記します。

胃もたれ・胸やけ

胃もたれは、心窩部のところが重苦しく、食物が下の方へ流れていかず、つかえているような感じがする症状のことです。胃もたれは、胃に食物がたくさんたまった時に起こります。食べ過ぎが原因の時がありますが、胃に病気があり食物の排泄時間が遅れることによっても起こります。食物ばかりでなく、胃にガスや胃液がたくさんたまっても、もたれる感じがするものです。
食物と一緒に空気をたくさん飲み込む性質の人もよく胃もたれを訴えます。

胸やけは、心窩部から前胸部にかけて、あたたかい、焼ける、熱いといったような感じがする症状のことです。胸やけは、胃酸の多い少ないとは関係がなく、低酸や無酸症の人にも起こり、食堂下部の運動異常、緊張の変化だけでも生じます。
また、精神的ストレス、不眠、怒り、飲み過ぎ、食べ過ぎ、タバコの吸い過ぎなどの場合にも一過性に起こります。胃もたれ・胸やけのいずれも一過性の場合は、病的意義はあまりありません。
しかし、このような症状が長期間つづく場合は、胃・十二指腸の病気(急性・慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がん)や食道の病気(食道裂孔ヘルニア)がひそんでいることがあります。

食物や飲物と一緒に飲み込んだ空気が上がってくるのを「げっぷ」といいます。多くの場合には生理的なものでやむをえないのです。しかし、臭いにおいのあるげっぷでは、十二指腸潰瘍などによる狭窄、胃拡張がおこり、内容物が腐敗していることがあります。
また強い酸味や苦味のあるげっぷでは、胆汁の逆流が考えられます。胆汁は消化液ですが、これが逆流する場合には胆管、胆嚢、肝臓、膵臓の病気が疑われます。消化器科を受診ください。->消化器科