患者さまへ

全身の症状

だるい・疲れやすい

何かの病気ではないかと考える前に、日常生活を点検してみる必要があります。
残業や夜ふかしが続いていないか、食事にかたよりがないかなどをチェックしてください。
たいていは睡眠・休息・バランスの良い食事などによって回復すると思います。
それでもだるさが続くのなら、病気が潜んでいることがあるので、次の諸点を考えて原因を追及していく必要があります。

  1. ほかに症状がない場合(過労や精神的緊張による生理的・心因的な疲れ。
    自律神経失調。急性肝炎。腎炎。血液疾患。低血圧)
  2. 熱がある(かぜ・肺炎。肺結核=呼吸器科受診)
  3. 頭重感(眼精疲労=眼科受診。高血圧)
  4. 顔や手足がむくむ(心不全=循環器科受診。腎炎、甲状腺機能低下症)
  5. 立ちくらみ、寝起きが悪い(低血圧)
  6. 食欲がなく、やせる(神経性食思不振症。肝炎。消化器疾患=消化器科受診)
  7. 汗をかきやすい、動悸がする(パセドウ病)
  8. のどが渇く(糖尿病)
  9. 血の気がない=貧血(消化器の潰瘍・がん。月経過多=子宮筋腫など。消化器科、婦人科受診)
  10. 尿の色が濃い、皮膚が黄色い(肝炎)
  11. 尿量が少なくなった(腎炎)
  12. 便の色が黒い(胃、十二指腸、大腸の上部からの出血=潰瘍、ポリープ、がん=消化器科受診)
  13. 便に血や粘液が付着している(痔出血、直腸がん、大腸炎=消化器科、外科受診)

以上のほか、脳動脈硬化症によるもの(脳外科受診)、蓄膿症、歯槽膿漏、中耳炎などの感染症によるものなど原因は多彩です。指示した以外の症状では、まず内科を受診してください。

顔色が悪い ・・・貧血・黄疸・・・

顔色が青白くなるのを指すことが多いようです。その原因として一番多いのは貧血による場合です。
これは血液の一成分である赤血球や赤血球の色素(ヘモグロビン)が減少している状態で、

  1. 出血などで失われる=消化器管出血、月経過多、
  2. 赤血球をつくる材料(鉄など)が少ない=偏食、
  3. 赤血球をつくる能力が低下している=再生不良性貧血、
  4. 赤血球が異常に破壊されるとき=溶血性貧血、

などで起こります。

顔色は血行状態や皮膚の色素などの影響を受けるので、まぶたの粘膜を見るのがよいでしょう。赤味を帯びた結膜が貧血の程度によりうすくなってしまいます。
よくある症状は疲れやすい、軽い運動時息切れなどです。消化管よりの微量な出血や、女性の月経過多などでは貧血を起こす原因に気付かないことが多いものです。
血液検査で簡単に知ることができますので定期的に検査を受けておくといいでしょう。出血が原因であれば、原疾患を早く見つけて治療することが重要です。(内科、消化器科、婦人科受診)

黄疸により皮膚が黄色になることがあります。軽度の場合には結膜(白目の部分)をみると発見しやすくなります。黄疸のあるときは、尿の色も濃くなっていることが多いので注意してみてください。
黄疸は血液中のビリルビンが増加した状態で、体の中に重大な異常が起きたことの証拠です。
原因の究明が急がれます。胆汁の流れる道筋である肝臓、胆管、胆嚢に異常が起こった時に見られます。胆石症、胆嚢炎などは胆汁の流れが妨げられて出る黄疸で、痛みや発熱を伴います。肝臓自身に原因があるものとしてウイルス性の急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変があります。(消化器科受診)

めまい・ふらつき

「めまい」には、

  1. 回転性めまい(まわりの景色がぐるぐる回る)、
  2. 浮動性・動揺性めまい(身体がふわふわと浮いている)、
  3. 立ちくらみ(急に立ち上がったとき目の前が暗くなり、気が遠くなる)、

の三つの種類があります。次のような病気を考えましょう。

  1. 耳から起こるめまい->耳鼻咽喉科受診
    1. メヌエール病:突然のめまい発作(回転性、吐き気、嘔吐を伴う)と、どちらか一方の耳が聞こえにくい、耳鳴りが起こるのが特徴です。症状は二十分から数時間続いておさまります。
    2. 突発性難聴:突然一方の耳が聞こえなくなり、激しい回転性めまいがおこります。
    3. 良性発作性頭位めまい症:寝返り、おじぎなど頭をある決まった方向に傾けた時に起こり、回転性めまいと吐き気が起こります。
  2. 脳から起こるめまい->脳神経外科、神経内科
    めまいのほかに顔・口のまわりや手足にしびれ、ろれつが回らない、物が二重に見える、頭痛を伴う場合(脳出血、脳梗塞、脳腫瘍)や、突然激しい頭痛を伴う場合(クモ膜下出血)などがあります。はやく受診することが大切です。
  3. 高血圧、血圧の変動、動脈硬化症で起こるめまい->循環器科、内科受診
    血圧の変動が大きい場合、降圧剤を服用している場合、自律神経失調や脳の血液循環が悪い場合、また糖尿病が原因の場合もあります。
  4. 頸が原因のめまい->脳神経外科・整形外科
    頭や頸を打った(むちうち症)あとの浮動性・動揺性めまい、長時間同じ姿勢で仕事をしたあとの緊張性めまいなどがあります。
  5. 更年期障害から起こるめまい->婦人科受診
    五〇才前後の女性で閉経に伴って、のぼせ、いらいら、顔のほてり、肩こりなどを伴います。

意識がなくなる ...失神・昏睡...

脳は体重のおよそ2%の重さしかありませんが、体全体が消費する酸素の20%、ブドウ糖の25%を使用する大変ぜいたくな臓器です。脳が正常に働く為には、絶えず酸素とブドウ糖が脳に供給されている必要がありますが、これらはすべて血液によって脳に運ばれています。脳への血液の流れ(脳血流)が止まると、10秒以内に昏睡状態に陥ってしまいます。酸素不足は、気管にものがつまったり、肺炎など呼吸障害や、ガス中毒などで出現します(呼吸器科受診)。ブドウ糖不足は、糖尿病の患者さまが使用している薬が効きすぎて血糖が極端に低くなった時に起こります(内科受診)。しかし、意識を失う原因として一番多いのは脳への血流障害です。これには次のような原因があります。

  1. 心臓のポンプの働きが悪くなったとき(脈拍が40以下の極端な徐脈や、140以上の頻脈の時、あるいは心筋梗塞を起こしたとき)(循環器科受診)
  2. 血圧が急に低下したとき(急に立ち上がった時に目の前が暗くなって倒れる場合)(循環器科・脳神経外科受診)。
  3. 脳の太い血管がつまったとき(この場合、意識を失うだけでなく手足の麻痺など他の神経症状を伴うことが多い(脳神経外科受診)

脳が直接障害を受けても意識を失うことがあります。脳内出血で意識の中枢がる脳幹がやられたり、脳幹へ血液を送る血管がつまった時、急に意識を失うことがあります。特に、意識を失い嘔吐(吐いている)がある場合は、脳内出血が疑われます(脳神経外科)。脳炎を起こしている場合も意識がなくなります(神経内科受診)

けいれん・ひきつけ

けいれん・ひきつけ発作には、体をがたがたふるわせる間代性けいれんと、体を固く硬直させる硬直性けいれんとがあります。けいれんは、脳腫瘍、脳内出血、頭部外傷など脳に明らかな病変があって発病する場合と、検査では脳になにも病変が見つからない場合とがあります。
20歳をすぎてから初めて発作が起こった場合は、脳腫瘍や脳内出血などが原因となることがありますので、詳しい検査を行って原因を明らかにする必要があります(脳神経外科、神経内科受診)
5歳までの子供では、発熱にともなってけいれんが起こることがあります。熱性けいれんといい、ほとんどの場合、発作がおさまれば心配することはあリませんが、次のような場合は精密検査を受けてください(小児科・脳神経外科受診)

  1. 熱が出れば必ず発作が起こる、
  2. 5分以上発作が続いたり、繰り返して発作が起こる、
  3. 全身でなく半身のみに発作が起こる、
  4. 5歳すぎても熱性けいれんが起こる。

「てんかん」の代表的な症状は、けいれん・ひきつけですが、これ以外に、瞬間的にぼーとしてすぐにもとに戻る欠神発作、目的のある行動をしているのに自分がなにをしていたか覚えていない精神運動発作などがあります。(脳神経外科、神経内科受診)
けいれん・ひきつけの原因を明らかにするために、脳波、CT、MRI、血液検査が必要です。
発作が繰り返して起きたり、脳波で明らかな異常を認めた場合は、発作を予防する薬を服用する必要があります。特に、脳腫瘍、脳内出血、頭部外傷で脳にきずが残って発作が起きた場合は、長期間薬を服用する必要があります。

顔や手足がむくむ ...浮腫...

むくむというのは、からだの中の水分(細胞外水分)がふえて組織のはたらきが正常でなくなった状態をいい、肥脂がふえた肥満とは区別されます。むくみの場合は、ひたいとか、下肢の骨の上を指で押すとへこみができて、すぐには元へもどらないことでわかります。
むくみを生じる原因には、腎臓、心臓の異常のほか、つぎのようなものがあります。

  1. 腎性浮腫:腎臓は体内の老廃物や食塩などの電解質、余分な水分などを血液中からろ過して尿をつくる臓器です。この機能が低下すると全身的な浮腫(むくみ)が起こります。
  2. 心臓性浮腫:心臓は血液を全身に送るポンプですから、心不全や弁膜の異常が生じると、血流のうっ滞がおこり、むくみが生じます。このタイプのむくみはからだの下部(下肢)からあらわれますが、ひどくなると肝臓、肺、腎臓などにも水がたまり、生命が危険になります。
  3. 低蛋白性浮腫:組織内の水分は蛋白濃度の高い血液中に(浸透圧によって)吸収されますが、血液の蛋白濃度が低下すると、水分の移動が起こりりにくくなってむくみが生じます。これには、腎臓から多量の蛋白が漏れてしまうネフローゼ症候群、血液蛋白をつくる肝臓の障害(肝硬変)、がん末期の極端な栄養不良などがあります。
  4. 局所循環障害による浮腫:炎症や血栓などによる血流障害、リンパの流れの障害によって局所的なむくみが生じることがあります。
  5. 甲状腺機能低下によるむくみ:他のむくみと違って皮膚を指で押してもへこみません。

内科、循環器科、消化器科、外科を受診し、症状についてくわしくご相談ください。

熱がでる ...高熱・微熱がつづく...

発熱は、

  1. 体温発散の障害、
  2. 脳神経の障害、
  3. 体の組織の破壊、
  4. ヒステリー

などによっておこりますが、何といってもおおいのが
5.ウイルスや細菌の感染によるものです。

原因を調べるために
a 熱の高さ(高熱か微熱か)、
b 熱の型(一日の同じ時間帯に熱がでるか)、
c 発熱のきっかけ(体を冷やした、食べ物、旅行、ペットなど)、
d 身辺に同じ症状の人がいるか、
e 今までにかかった病気、について考えるとともに、
f 発熱に伴う他の症状がないか、
に注意してください。

発熱とそれに伴う症状

小児では大人と違う特有の病気があるので注意しましょう。

  1. ウイルス性感染:はしか、風疹、突発性発疹など、一度はかからねばならない感染症があります。
  2. リュウマチ熱:学童期に多い病気で、発熱と発疹、関節痛、腰痛、発汗、貧血などさまざまな症状をあらわします。放っておくと高率で心臓をおかされますから、早期受診、治療が大切です。

のぼせる・ほてる

顔が赤くなったり、青くなったりするのは、血管が広がったりちぢんだりするからで、その運動を支配しているのが血管運動神経です。血管の運動は腸の運動と同じように、私達の意志の力でコントロールすることはできません。
そこでこれらをまとめて、自律神経と言います。 のぼせ・ほてりは更年期障害として出現するものが多いのですが、甲状腺機能亢進症、高血圧症、高脂血症、肥満に伴う自律神経失調として現れることもあります。全身的なチェックが必要です。(内科内科、婦人科を受診してください。)

自律神経の中枢は脳の中心部にあって、ホルモンの急激な変化に影響を受けます。
たとえば、閉経期の女性で女性ホルモン(エストロゲン)が減少すると、血管運動神経に失調をきたし、寒い時にも顔がカッカとほてったり、のぼせたりすることがあります。これは更年期障害のひとつの症状で、自律神経失調といわれるのは先に説明したとおりです。
症状は、顔面、頚部、耳、頭部など上半身を中心に現れ、手足に広がることもあります。そして、血管が広がるために汗をかくことがあります。
発作の持続時間や頻度は一定していませんが、平均的には3分ぐらいの持続で、1日数回おこることが多いようです。

更年期障害の治療法として、女性ホルモンの経口投与によるホルモン補充療法を行うことが、わが国でも一般化してきました。
ホルモン補充療法は更年期障害の治療として有効であるだけでなく、動脈硬化、骨粗しょう症、白内障、アルツハイマー病の予防に効果があるといわれています。

冷える

からだの一部が冷えるという訴えは、その部の皮膚血管が縮んで血流が減少するため、皮膚の温度が下がって、皮膚神経がそれを感じることによります。

外気温が低いと寒い、冷たいと感じて血管が縮むのは当然のことですが、外気温が低くないのに冷たく感じる場合を「冷え症」といい、血管運動神経の障害、すなわち自律神経失調の一つの現れといえます。 のぼせるのと同様に、更年期の女性に多くみられる症状で、手足のほか、腰が冷えるという訴えが多いようです。女性ホルモンの補充とともに、血流を改善するビタミンEなどを用いると効果があります。
女性ではよく腰が冷えるという訴えがあります。骨盤内の癒着、循環障害がないか調べておきましょう。(->婦人科受診

更年期障害以外に、甲状腺機能低下症、副腎の病気といった重要な臓器の機能に関係して、冷え症が発現することがありますので、内科的な検査も欠かすことができません。また、冷え症の人は、貧血を伴なっていることが多いので血液の検査をしておくことがよいでしょう。(->内科受診

さて、手足の一部、たとえば足先だけがひどく冷え、時には痛みを覚える事があります。この部は外から見ても白くて、手で触れると冷たい感触があります。これはその部に血液を送っている動脈内腔が狭くなっているか、つまっていることによります。左右で差のある場合と、両側性に発症する場合とがあります。
糖尿病が原疾患となることが多いのでその方面の管理も大切になります。末梢血管外科の専門医にご相談ください。(->外科、内科受診

やせる

やせは食物摂取量の低下、腸管での吸収障害や消費エネルギーの増加などで、体の貯蔵脂肪が減少する状態ですが、高度のやせでは筋肉や諸臓器の蛋白の減少もみられます。

一般的には標準体重の80%以下の体重しかないものをやせと定義しています。標準体重の表し方にはいろいろありますが、成人の場合は、[身長(m)x身長(m)x22kg]を用いるのが一般的です。
生来やせていて、体重の減少もなく特に症状のない体質的なやせは問題ありませんが、急にあるいは徐々に体重が減ってきたら、なんらかの病気が背景にあることを考えて、原因を調べないといけません。

非常に数多い病気がやせの原因になるので、次の諸点を考えて原因を追求していく必要があります。

  1. 拒食症・若年女性・食行動異常がないか(神経性食欲不振症)->婦人科
  2. 口がかわく・多尿・尿に糖がおりる(糖尿病)->内科
  3. 長期の下痢・外科手術をしたことがあるか(消化管吸収障害・消化管腫瘍・膵炎等)->消化器科
  4. 発熱・炎症所見はないか(慢性感染症・肺結核・悪性腫瘍等)->呼吸器科
  5. むくみ・黄疸・アルコール多飲はないか(慢性肝炎・肝硬変)->消化器科
  6. 脈が速い・汗かき・眼球突出はないか(甲状腺機能亢進症)->内科
  7. 貧血・高血圧・悪心・嘔吐はないか(慢性腎不全)->内科
  8. 薬を内服していないか(下剤・利尿剤・甲状腺製剤・覚醒剤)->内科・消化器科

以上のような病気が、比較的多くみられますが、その他にも非常に数多い病気がやせの原因になるので、全身についての注意深い診察と、全般的な検査が必要です。

寝つきが悪い・眠れない ...不眠...

睡眠は、脳と体の休息状態であることは誰でも想像できることですが、睡眠中の脳波や、脳内神経伝達物質などに関する最近の研究によれば、睡眠には休息以上の重要な意味が存在することがわかってきました。そうすると、眠れないということはたいへんなことなのですが、実際には、そんなことはめったにありません。不眠の訴えにはつぎぼようなものがあります。

  1. 寝付きが悪い・眠れない
    実際にはそこそこ寝ているのに、本人は「ほとんど眠っていない」と思って悩んでいるケースで、眠れないことを意識しすぎて、不安や恐怖にかられているのです、。不眠ノイローゼといえる状態です。熟睡するまでに、時間がかかり、朝には睡眠時間が短い(睡眠不足)と感じるのです。
  2. 眠りが浅い
    一晩に何回も目を覚まして、睡眠が途切れる状態です。熟眠障害といって、しばしば不眠ノイローゼに伴なって現れます。
  3. 目ざめが悪い
    朝、目がさめたとき十分眠ったという充実感を欠く状態です。不眠ノイローゼのほか、早く目がさめて気分が悪く、そのまま起きられないという状態が続く用なら、うつ病にも注意が必要です。
  4. 脳動脈硬化による睡眠障害
    老人で睡眠が障害され苦痛を訴える場合には、真性の不眠症ということがあります。

最近の睡眠薬は安全な薬ですから医師の指示により適切な薬を服用し、そして毎日、同じ時間に余裕をもって就寝することを習慣にして、上手に眠るよう心掛けましょう。