診療科・部門紹介
DEPARTMENT

診療科・部門紹介
DEPARTMENT
泌尿器科は尿の生成や排泄に関わる臓器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)や男性の生殖器などの男性に特有の臓器(精巣、陰茎、前立腺)の病気を取り扱う診療科目です。扱う疾患は、悪性腫瘍(がん、肉腫)から尿路結石や前立腺肥大症、過活動膀胱などの良性疾患まで多岐にわたります。当院では泌尿器科専門医を有する常勤医4名体制で診療を行っております。泌尿器科という性質上、デリケートな部分の診察はどうしてもありますが、プライバシーに最大の注意を払い診療を行っておりますので、安心して受診してください。
①前立腺がんを発見するためには以下の検査を行います。
②これらの検査で前立腺がんが否定できない場合、確定診断のために前立腺の組織を採取する「生検」を行います。
通常は肛門からエコーを挿入し、画像上確認しながら針を刺して10-12か所の組織を採取します。麻酔は局所麻酔もしくは脊椎麻酔で行います。
③前立腺がんが確定した場合は以下の検査を追加し、がんの進行具合を確認します。
④これらを総合して治療方針を決定します。
膀胱がんはおよそ10万人に7人の割合で発生し、男女比はおよそ4:1と言われています。リスク因子として最も高いのは喫煙であり、その他遺伝性や職業性、膀胱の慢性炎症や放射線治療などがあります。症状としては肉眼的血尿を主訴に受診される方が多いですが、中には排尿時痛や頻尿などの膀胱刺激症状で受診される方もいます。
膀胱がんの診断には膀胱鏡検査が必要になります。また、スクリーニング検査として尿細胞診や腹部超音波検査などが用いられます。膀胱がんと診断された場合には、がんの浸潤度や転移がないかなど、CTやMRIを用いてステージの評価を行います。
粘膜層または粘膜固有層にのみ浸潤しているがんを指します。膀胱がんのおよそ7-8割がこのタイプです。治療には内視鏡を用い、経尿道的に腫瘍を切除します(TUR-BT)。およそ1週間程度の入院が必要になります。また、ステージの再評価のため、再度同様の手術を術後2ヶ月以内を目途に行うこともあります(2nd TUR-BT)。再発予防のため、術後にアントラサイクリン系の抗癌剤やBCGを膀胱内に注入する場合があります。これらの薬剤を投与しても早期に再発する場合、膀胱全摘術を行うこともあります。
筋層を含む膀胱壁の外側にがんが浸潤しているものを指します。画像上、他に転移がなくとも微小転移が存在している可能生が高く、標準治療は術前補助化学療法と膀胱全摘術になります。当院では腹腔鏡を用いた手術を行っており、臍周囲に操作用の1cm程の傷を5カ所作成し、手術を行います。膀胱を周囲からはずしたら、臍部分の傷を8cm程度に広げて膀胱を取り出して後述する尿路再建を行います。手術の傷が癒えてから、ストーマの交換の練習など含め、およそ2週間から1ヶ月程度の入院が必要になります。
膀胱全摘を行った場合、尿路再建が必要になります。方法には大きく分けて失禁型と非失禁型があります。
〈失禁型〉
〈非失禁型〉
膀胱がんの再発率はおよそ50%と非常に高いため、定期的な通院による検査が必要になります。主に膀胱鏡検査や尿細胞診、採血、CT検査などを用いて再発がないかどうかを確認します。
診断時に転移がある場合や、術後転移が認められた場合には、全身に対する治療が必要になるため、抗がん剤治療を行います。これまでのプラチナ系抗がん剤に加え、近年様々な種類の抗がん剤が登場しているため、当院では最新の診療試験のデータをもとに、患者様のニーズに合わせて最適な治療方法を提案致します。
早期のがんで高齢の患者様、全身状態が悪く手術による侵襲に耐えられない患者様で適応となります。手術などの治療を行わず外来で定期的に画像検査を行い経過観察する方法です。腫瘍の破裂や急激な増大がある際は手術療法などが適応となる事もあります。
転移を認めないがんでは手術での摘出が第一選択となります。転移を認める場合も全身状態が良好な方、若年の方では手術を行う事があります。手術は大きく分けて根治的腎摘出術と腎部分切除術に大別されます。
他臓器転移を認める腎がん、手術が難しい進行腎がんには抗がん剤治療を行います。抗がん剤には免疫チェックポイント阻害剤、分子標的薬が主に用いられます。現在、様々な薬剤が開発されており、これらを単独もしくは組み合わせて投与します。腎がんの組織型やリスク分類、全身状態・年齢などを考慮し薬剤を選択します。
腎臓で作られた尿は腎盂に集まり、尿管という管を通って膀胱に蓄えられ、尿道を経て体から排泄されます。これらの尿の通り道を尿路といい、尿のなかに含まれているカルシウムやシュウ酸、リン酸などが蛋白質などと結合し固まったものを尿路結石といいます。また結石はその場所によって腎結石、尿管結石、膀胱結石と呼び名が変わります。
尿路結石の主な症状は痛みと血尿です。結石は通常、腎臓でできますが、腎臓に留まっている間は痛みはなく、結石が尿管に詰まったり、結石が動くときに痛みます。痛みは結石のある方の側腹部に起こり、痛みがひどいときには動悸、息切れ、冷や汗、吐き気を伴うこともあります。
結石が尿管に詰まると尿がせき止められ、腎臓に尿がたまってしまう状態、いわゆる水腎症となり、結石のあるほうの背中が痛みます。水腎症が長い間続くと腎臓がだめになってしまうこともあります。血尿は目で見てわかるほど真っ赤な尿が出る場合と顕微鏡で見てはじめてわかる場合があります。
尿路結石は決してまれな病気ではなく、食生活の欧米化に伴い、その発生率は増加しており、日本人男性の11人に1人、女性では26人に1人が一生の間に一度はかかる計算になります。また尿路結石は再発しやすい病気で、食事療法を行なわなかった場合には,5年間で30~40%の人に再発すると言われています。
尿管につまった結石の約60%は尿と一緒に自然に排出されます。1cmくらいまでの小さい結石は自然にでる可能性が高いので、尿管を拡げて結石の下降を促す薬を処方します。よく「結石を溶かす薬」を希望される患者さんがおられますが、残念ながら一部の成分を除き、「結石を溶かす薬」はありません。結石が出やすくなるよう水分を多く摂り、(2000mlが目標)痛いときは痛み止めを使い、排石を待ちます。痛みさえなければ仕事や家事もいつもどおり可能です。なかなか自然に降りない場合や、痛みなどの症状を繰り返す場合には治療が必要になります。以前はおなかを切って結石を取り出す手術が行われていましたが、最近ではおなかを切らずに体外衝撃波結石破砕術や尿道から内視鏡をいれて結石を砕く手術が広く行われています。
膀胱や尿管の結石には内視鏡を尿道から挿入し、結石を直接カメラで確認し、レーザーや超音波などで少しずつ砕石する手術があります。手術は全身麻酔もしくは腰椎麻酔(下半身の麻酔)で行いますが、短期間の入院での治療が可能です。尿管の下の方の位置に結石がある場合やESWLでは砕けない硬い結石の場合に内視鏡の手術を行います。
尿管鏡は硬性(金属製で硬い)あるいは軟性(胃カメラのようにファイバー製で軟らかい)があり、結石の場所等によって使い分けます。2cmよりも小さい結石であれば破砕、回収が可能です。結石の破砕はホルミウムレーザーで行い、通常は破砕した結石片も回収します。
2019年 | 2020年 | 2021年 | |
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腎部分切除術(腹腔鏡下) 腎摘除術 (腹腔鏡下) 腎尿管全摘術(後腹膜鏡下)+膀胱部分切除術 副腎摘除術(腹腔鏡下) 腎摘(開腹) 尿管部分切除術 腎外傷修復術 経尿道的尿路結石破砕術(TUL) 経皮的腎嚢胞穿刺術 D-Jカテーテル交換、留置術 尿管バルーン拡張術 経皮的腎生検 経皮的腎瘻造設術 膀胱尿管新吻合術 尿管修復術 | 3 17 6 1 0 0 0 60 0 96 6 3 6 0 0 | 6 12 10 1 2 0 0 54 2 102 1 0 7 0 1 | 3 11 8 0 0 1 1 56 3 124 4 0 16 1 0 |
膀胱全摘+回腸導管造設術(腹腔鏡下) 膀胱憩室切除術(腹腔鏡下) 回腸導管造設術(腹腔鏡下) 尿管皮膚瘻造設術(腹腔鏡下) 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT) 経尿道的止血術(TUC) 経尿道的膀胱砕石術 経尿道的前立線核摘出術(TUR-P、TUEB) 内尿道切開術 尿失禁根治術(TOT) 外尿道腫瘍切除術 | 4 1 0 0 83 9 15 21 3 1 4 | 4 0 0 1 44 2 4 18 3 4 3 | 4 0 1 0 81 10 15 27 3 4 2 |
精巣摘除術 陰嚢水腫根治術 精巣固定術 陰茎癌手術 陰茎折症手術 包皮環状もしくは背面切開術 陰嚢内血腫除去術 尖圭コンジローム切除術 腹膜透析カテーテル留置術、抜去術 その他 SpaceOAR | 2 4 1 0 0 4 1 10 8 9 12 | 1 4 2 1 0 5 0 4 6 8 4 | 4 3 1 0 1 10 0 3 6 8 1 |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | ||
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朝診 | 1診 | 鳥越 | 杉田受付11:30迄 | 江崎 | 山越 | 西川 | 大年 |
2診 | 松田 | - | 豊川 | 武山 | - | - | |
昼診※予約制 | - | - | - | - | - | - | |
夜診 | 1診 | 武山 | 加藤 | 村尾 | 鳥越 | 山越 | - |
2診 | - | 松田 | - | - | - | - |
2023.8.1.現在
山越 恭雄
やまこし やすお
武山 祐士
たけやま ゆうじ
松田 博人
まつだ ひろと
鳥越 拓也
とりごえ たくや