患者さまへ

TO PATIENT

がん診療拠点病院

当院は大阪府から「がん診療拠点病院」の指定を受ています

我が国に多い五大がん(肺がん、胃がん、大腸がん、肝がん、乳がん)をはじめ、婦人科領域、泌尿器科領域のがん治療に、従来にもまして積極的にあたっていきます。そしてがん診療拠点病院として各医療機関と相互に連携をとりながら、がん治療水準の向上に努めるとともに、緩和ケア、がん患者さま・ご家族さまに対する相談支援体制の向上、がんに係る各種情報の収集・提供につとめ、地域のがん医療のがん医療の推進に寄与して行きます。

大阪府がん診療拠点病院

平成23年3月に大阪府がん対策推進条例が制定され、第八条で、がん診療連携拠点病院(国指定)の整備と、それに準じる大阪府がん診療拠点病院(府指定)の整備を推進するものとされました。

それに従い、大阪府内16病院が、がん診療連携拠点病院に指定され、44病院が大阪府がん診療拠点病院に指定され、がん診療にあたってきました。

その後、がん治療拠点としての役割の増加および拠点病院に求められる機能の多様化などにより、昨年度、国においても新たながん診療提供体制のあり方を提示し、人材配置、診療実績要件の強化、相談支援体制の充実など、更なる質の向上が計られました。


具体的には

  • キャンサーボード

    がんに携わる各科横断的、多職種参加の治療方針の決定

  • 手術療法

    当該施設で対応可能ながんについて、手術療法に携わる原則常勤医師の配置

  • 化学療法

    化学療法センターの設置、レジメン管理委員会の設置、化学療法専任常勤医師の配置、専任看護師の設置等が必須化

    測定実施証明書
    PDFファイル

    当施設は治療用照射装置の基準条件における出力線量に対し、第三者評価機関である公益財団法人 医用原子力技術研究振興財団が実施する測定評価を受けています。

    化学療法センターのご案内
  • 病理診断

    自施設で病理診断を行う場合、細胞診断に係る業務に携わる人員の配置

  • 緩和ケア体制の強化
  • がん相談支援センターの明確化
  • がん登録法を踏まえた新たな取り組み 等々
今般、大阪府においても、平成27年4月1日付けで新たな国基準に準じた充実・強化新基準による、がん診療拠点病院の認定がなされ、石切生喜病院は平成27年4月1日を持ってこの新基準をすべて満たす大阪府がん診療拠点病院に指定されました。

当院のがん治療診療科

緩和ケア

当院には緩和ケアをチームで担う緩和ケアチームが設置されており、医師、看護師、薬剤師等で構成されており、がん性疼痛管理認定看護師を中心に病棟、外来患者さまに対する緩和ケア、がん性疼痛鎮痛対策をチームで行っています。

また相談センターには医療ソーシャルワーカーを4名配置し、がん患者さま、およびそのご家族に対して各種相談に応じています。

院内がん登録

2016年1月1日に『がん登録等の推進に関する法律(がん登録推進法)』が施行され、各病院で院内がん登録が開始されています。
さらに当院は大阪府がん診療拠点病院のため、一部のデータを国立がん研究センターにも提供しています。
さらに、当院で診断あるいは治療を行った患者さまの予後追跡調査を実施しており、他の医療機関や各地方自治体からの情報も利用していることを御理解・御協力をお願いいたします。
尚、個人情報の保護に関しては十分に注意を払っており、個人が特定され法律に違反するような情報公開は行っておりません。
また、当院が行うがん登録への御質問や予後追跡調査等を拒否される方は地域医療連携室でお伺いさせていただきます。

  • 2022年実績
  • 2018年実績
  • 2016年実績

(がん登録・情報提供管理委員会)

緩和ケア研修会

緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者さまとそのご家族さまに対して、身体的苦痛・心理社会的苦痛・スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確なアセスメントと対処を行う事によって苦しみを予防し、和らげる事でQOLを改善するアプローチです。
そして、国においても「がん対策推進基本計画」において、緩和ケアについては「治療の初期段階からの緩和ケアの実施」を重点的に取り組むべき課題として位置づけており、がん患者さまとそのご家族さまが可能な限り質の高い療養生活を送れるようにするため、身体症状の緩和や精神心理的な問題への援助などが、終末期だけではなく治療の初期段階から積極的な治療と並行して行われる事を求めています。
また、がん医療に従事するすべての医師が緩和ケアに関する基本的な知識、技術を身につける必要性から、がん診療連携拠点病院の指定要件として「プログラム」に準拠した「緩和ケア研修会」を定期的に実施する事が求められております。
石切生喜病院においても今回大阪府がん診療拠点病院に指定された事から、この緩和ケア研修会を来年度から定期的に開催するべく準備を進めています。
当院でこの研修会を受け終了証書を得た医師は、令和6年10月現在 73名 となっております。

  • 緩和ケア研修会修了医師一覧

セカンドオピニオン外来

セカンドオピニオンとは今かかっている病気や、その治療に関し、より深い知識、より良い決断をする為に当事者以外の専門的な知識も持った第3者に意見を求める事です。
当院には常勤医師として各学会の指導医、専門医が多数そろっており各種がんに関する相談を完全予約制で受け付けています。

石切生喜病院における適切な意思決定支援に関する指針

1.基本方針

当院では、人生の最終段階における意思決定の分岐点で、本人および家族や代弁者との共同意思決定、すなわち十分なコミュニケーションを通じて、本人および家族・医療従事者皆が納得できる合意・形成とそれにもとづく選択と意思決定を目指すことに努める。

2.「人生の最終段階」の定義

(1)がんの末期のように、予後が数日から長くとも2~3ヶ月と予測が出来る場合

(2)慢性疾患の急性増悪を繰り返し予後不良に陥る場合

(3)脳血管疾患の後遺症や老衰など数ヶ月から数年にかけ死を迎える場合

なお、どのような状態が人生の最終段階であるかは患者さまの状態を踏まえて医療・ケアチームで判断します。

3.当院での人生の最終段階における医療・ケアの在り方

(1)医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされ、医療・ケアチームと十分な話し合いを行い、本人による意思決定を基本としたうえで、人生の最終段階における医療・ケアに対する意思決定を進める。本人の意思は変化しうるものであることを踏まえ、本人が自らの意思をその都度示し、伝えられるような支援を医療・ケアチームが行い、本人との話し合いを繰り返し行う。 本人が自らの意思を伝えられない状態になる可能性があることから、家族等の信頼できる者も含めて、本人との話し合いを繰り返し行う。この話し合いに先立ち、本人は特定の家族等を自らの意思を推定する者として前もって定めておくことも重要である。

(2) 医療・ケア行為の開始・不開始、医療・ケア内容の変更、医療・ケア行為の中止等は、医療・ケアチームによって、医学的妥当性と適切性、患者のQOLの視点から慎重に判断する。

(3)医療・ケアチームにより、可能な限り疼痛やその他の不快な症状を十分に緩和し、本人・家族等 の精神的・社会的な援助も含めた総合的ながん医療・ケアを行う。

(4)生命を短縮させる意図をもつ積極的安楽死は、本指針の対象としない。

4.当院での人生の最終段階における医療・ケアの方針に関する意思決定の進め方

(1)本人の意思の確認ができる場合
① 方針の決定は,本人の状態に応じた専門的な医学的検討を経て、医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明を行う。そのうえで、本人と医療・ケアチームとの合意形成に向けた十分な話し合いを踏まえた本人による意思決定を基本とし、多専門職種から構成される医療・ケアチームとして方針を決定する。

② 時間の経過、心身の状態の変化、医学的評価の変更等に応じて、本人の意思が変化しうるものであることから、医療・ケアチームにより、適切な情報の提供と説明がなされ、本人が自らの意思をその都度示し伝えることができるよう支援を行う。このとき、本人が自らの意思を伝えられない状態になる可能性があることから、家族等も含めて話し合いを繰り返し行う。

③ このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度文書にまとめておく。

(2)本人の意思が確認できない場合
本人の意思確認ができない場合には、次のような手順により、医療・ケアチームの中で慎重な判断を行う。

① 家族等が本人の意思を推定できる場合には、その推定意思を尊重し、本人にとっての最善の方針をとる。

② 家族等が本人の意思を推定できない場合には、本人にとって何が最善であるかについて、医療・ケアチームが本人に代わる者として家族等と十分に話し合い、本人にとっての最善の方針をとる。時間の経過、心身の状態の変化、医学的評価の変更等に応じて、このプロセスを繰り返し行う。

③ 家族等がいない場合及び家族等が判断を医療・ケアチームに委ねる場合には、 医療・ケアチームが医学的妥当性と適切性、患者のQOL の視点に沿って検討し、本人にとっての最善の方針をとる。

④ このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度文書にまとめておく。

(3)複数の専門家からなる話し合いの場の設置
上記(1)及び(2)の場合において、方針の決定に際し、

①医療・ケアチームの中で心身の状態等により医療・ケアの内容の決定が困難な場合

②本人と医療・ケアチームとの話し合いの中で、妥当で適切な医療・ケアの内容についての合意が得られない場合

③家族等の中で意見がまとまらない場合や、医療・ケアチームとの話し合いの中で、妥当で適切な医療・ケアの内容についての合意が得られない場合、ついての同意が得られない場合などについては、医療・ケアチーム以外の複数の専門家からなる話合いの場を別途設置し、医療・ケアチーム以外の者を加えて、方針等についての検討及び助言を行うことが必要である。

本指針は、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関する対応指針」、日本老年医学会「ACP 推進に関する提言」を規範とし策定している。

附 則
この指針は令和4年10月1日から施行する

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