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2022.08.27いしきりスペシャル
手掌多汗症は、特に精神的緊張時に手のひらに多量の汗をかき、生活に大きな支障をきたす疾患です。緊張時に手のひらの汗が増えるのは「手に汗握る。」の言葉どおり、多くの人が経験するところですが、この病名がつく人の汗の量は想像を絶するものです。 テストで紙がぐしょぐしょになる、握手ができないなどなど、患者さま本人の悩みはさまざまでかつ深刻です。
発汗中枢は視床下部にありますが、手掌多汗症は精神性発汗で大脳からの刺激が深く関与していると考えられます.この神経刺激経路が胸部交感神経を経由しているので同部でこの経路を遮断すれば手のひらの汗が止まります。 下記の如くさまざまな治療法がありますが、重症の方には効果がないことが多いのです。
アルミニューム製剤等の止汗剤塗布イオントフォレーシス
自律神経調整剤の内服、自律神経訓練法
星状神経節ブロック、交感神経節ブロックなど
手術効果はほぼ100%です
概要 | 胸部交感神経遮断により直後より手掌の発汗停止が得られます。 腋窩、足底の発汗は減少する方もありますが、逆に増える場合もあり予測できません。 |
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手術適応 | 高度の手掌多汗症で皮膚科学的治療等で充分な効果が得られない場合
注:腋窩多汗、足底の多汗にも同時にお悩みの方 また下記の合併症がおこりえますので、極端な言い方をすれば、「手のひらの汗さえ止まれば、他の部分はどうなろうとも我慢できると言える方が手術の対象になります。 |
手術法 | 麻酔 胸腔内観察・操作のため肺虚脱が必須であるため,分離肺換気にて全身麻酔を行います。手術創 腋窩に約2~3㎜の長さの創2-3ヵ所 手術操作
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合併症 | 代償性発汗 ほぼ100%に生じます。遮断レベル以下の背中、胸,腹部、大腿部等の発汗が増強します。ある程度は生理的に必要な発汗なのですが、病的に多く発汗が増える方もかなりおられます。この場合患者さまにとってはあらたな悩みの種となり,手術したことを後悔される方もおられます。この場合、もとに戻す方法がありません。この点で手術適応の慎重な判断、術式の選択と患者さまへの充分な術前説明が必要となります。 気胸、血胸 ホルネル症候群 心臓への影響 創痛等 注:一般的に言って100%安全な手術はありえません。 |