診療科・部門紹介
DEPARTMENT
診療科・部門紹介
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第一病棟の4階と6階に合計100床の透析ベットで、多くの患者さまが透析を受けられています。
腎臓の働きで最も大切なのは、血液から余分な水分や毒素を取り除くことです。したがって、腎臓の働きが悪くなると、余分な水分や毒素が体内に蓄積し(尿毒症)、放置して置くと、死に至ります。一度機能の悪くなった腎臓を、原則的には元に戻すことはできません。腎臓の代わりに血液から余分な水分や毒素を取り除き、生命を維持するのが透析療法です。透析療法は 血液透析と腹膜透析に大別できます。
血液透析は、1回4時間で、週に3回行うことを基本としています。血液をダイアライザーと呼ばれる透析機器に体外循環させ、余分な水分、毒素を除去し、血液を再び腕の血管に戻します。
この為、腕に動脈と静脈を吻合する内シャント作成の手術が必要です。約1時間でできる簡単な手術です。
血液透析
一般的にはCAPDと呼ばれていますが、最近APDという方法が普及しつつあります。
Continuous(連続的に)、Ambulatory(携行可能な)、Peritoneal(腹膜を使った)、Dialysis(透析)の略称です。
腹腔内に透析液を一定時間貯めておいて、その間に腹膜を介して血液から余分な水分や毒素を取り除き、血液をきれいにします。この透析液の入れ替えのために、カテーテルを腹腔内に留置します。体の外に出るカテーテルはわずかですから、日常生活の妨げになりません。 透析液を入れ替える方法・操作は簡単ですが、1日3~4回液を入れ替えるため、各20~30分程の時間を要します。この液を入れ替える回数や量については、患者さまの年齢、体重、症状や検査データなどによって異なりますが、液の交換時間以外は自由に行動できるので、社会復帰が容易です。
腹膜透析
Automated(自動的に)、Peritoneal(腹膜を使った)、Dialysis(透析)の略称です。自動腹膜透析装置(サイクラー)を用いて透析液を自動的に交換する方法で、最近よく用いられるようになってきており、以下の2つの方法があります。
1)夜間間歇式腹膜透析 (NIPD: Nocturnal Intermittent Peritoneal Dialysis)
自動腹膜透析装置を用いて、夜間のみ透析液の交換を行う方法です。CAPDで日中の腹部膨満感が強い患者さまや、ヘルニア、腰痛など合併症のある患者さまに適しています。
しかし、小分子量の物質除去が不十分になりやすいため、残存腎機能が結構ある患者さまに限られるようです。尿量や残腎機能の低下、データの悪化、尿毒症症状の発現が心配される場合は、次の2つ目の方法への変更を検討します。
2)持続周期的腹膜透析 (CCPD: Continuous Cycling Peritoneal Dialysis)
NIPDに日中の透析液貯留を加えた方法です。残存腎機能の低下にともない、小分子の除去不良が高まった場合に用いられ、より大きな透析効果が得られる方法です。
いずれにしても、APDは、主に夜間就寝中に透析を行うため、昼間の拘束時間が短く、より社会復帰しやすくなります。それに、仰臥位で行うため腹腔内圧の上昇が抑えられ、より多くの透析液を注入できるので透析効率が高まります。腹腔内圧の上昇が望ましくないヘルニアの患者さまにも有利です。
前述しましたが、当センターでは透析の導入から維持透析まで一環した透析療法を行っています。 医師とよく相談のうえ患者さまの希望により、血液透析または腹膜透析のいずれかを選択してもらっています。また、腎移植を希望される場合、適切な医療機関を紹介しています。
詳しくは腎臓内科へご相談下さい。
近年、透析療法の進歩に伴い長期の安定した維持透析が可能となりました。
しかし、残念ながら透析患者さまには、さまざまな合併症がつきまといます。
これらの合併症を透析の医師だけで対応することはできません。 総合病院の利点を生かし、各科の専門医と万全の協力体制を整えており、また透析患者さまの心臓手術も行っておりますので、 ほぼすべての合併症は当院で対応しております。
生命に関わる合併症(心筋梗塞、消化管出血、脳卒中等)も 24時間体制で臨んでいます。
当院では、透析シャント不全に対するシャントPTAを行っております。バルーンカテーテルで血管を拡張するときに痛みが生じますが、拡張範囲が広く局所麻酔が効きづらい際には腕神経ブロックにて腕全体に麻酔を行っております。なお、この治療は放射線科IVR専門医が行っております。
血液浄化センター長 | 立石悠 |
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