顔や手足がむくむ・・・浮腫

むくむというのは、体の中の水分(細胞外水分)が増えて組織の働きが正常でなくなった状態をいい、肥脂がふえた肥満とは区別されます。むくみの場合は、ひたいや下肢の骨の上を指で押すとへこみができて、すぐには元へもどらないことでわかります。
むくみを生じる原因には、腎臓、心臓の異常のほかに次のようなものがあります。

  • 腎性浮腫 : 腎臓は体内の老廃物や食塩などの電解質、余分な水分などを血液中からろ過して尿をつくる臓器です。この機能が低下すると全身的な浮腫(むくみ)が起こります。
  • 心臓性浮腫 : 心臓は血液を全身に送るポンプですから、心不全や弁膜の異常が生じると、血流のうっ滞が起こり、むくみが生じます。このタイプのむくみは体の下部(下肢)から現れますが、ひどくなると肝臓、肺、腎臓などにも水がたまり、生命が危険になります。
  • 低蛋白性浮腫 : 組織内の水分は蛋白濃度の高い血液中に(浸透圧によって)吸収されますが、血液の蛋白濃度が低下すると、水分の移動が起こりりにくくなってむくみが生じます。これには、腎臓から多量の蛋白が漏れてしまうネフローゼ症候群、血液蛋白をつくる肝臓の障害(肝硬変)、がん末期の極端な栄養不良などがあります。
  • 局所循環障害による浮腫 : 炎症や血栓などによる血流障害、リンパの流れの障害によって局所的なむくみが生じることがあります。
  • 甲状腺機能低下によるむくみ : 他のむくみと違って皮膚を指で押してもへこみません。

内科・循環器科・消化器科・外科を受診し、症状についてくわしくご相談ください。

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手足のまひ・腕の付け根が痛い(四肢痛)

手足を動かす指令本部は脳にあり、右脳は左の手足、左脳は右の手足の運動に関わっています。 脳からの指令は脊髄に伝わります。脊髄の首のレベルでは手にいく神経が、腰のレベルでは足にいく神経が枝分かれしてそれぞれの筋肉の動きを支配しています。脊髄から枝分かれした神経は末梢神経と呼ばれています。手足のマヒは、脳・脊髄・末梢神経の障害あるいは筋肉の障害で出現します。

脳の障害では、反対側の手足にマヒが生じます。脳には、手足を動かす以外のいろいろな働きがありますから、言葉が話しにくいといったような他の脳の症状がマヒと同時に認められる時は、脳が原因と考えられます。特に、急に半身の手足のマヒが出現した時は、脳内出血や脳の血管がつまる(脳梗塞)、脳血管障害による可能性があります(脳神経外科受診)。

脊髄は、脊髄の狭い骨の筒の中を通るため、変化した骨や、骨の間にある椎間板が飛び出して圧迫されて障害を受けることがあります。圧迫は脊髄全体にかかることが多く、両方の手足のマヒが出現します。首のレベルの脊髄の障害では、手足のマヒが出ますが、胸や腰のレベルの脊髄の障害では足にのみマヒが出現します。首や腰にけがをした後、急に両方の手足のマヒが出現したら脊髄の障害を疑ってください。(脳神経外科・整形外科受診)。

末梢神経の障害によるマヒは、骨折や外傷によって直接神経が障害されたり(整形外科受診)、糖尿病やビタミン不足などの全身的な問題で発症することがあります(内科・神経内科受診)。

脳や脊髄の病気は、CTやMRIで診断できます。特にMRIは脊髄の病変の診断に威力を発揮します

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しびれる

患者さまの訴えの中で、「しびれる」という言葉の内容ほど千差万別なものはありません。 「しびれ」は感覚障害、あるいは感覚異常を表現する言葉ですが、中には手足や口元がしびれているといって運動麻痺のことを示すことがあります。
感覚異常としては、「感じ方が鈍くなった」、「ビリビリする」、「足の裏に紙を一枚貼ったような感じ」、「一年中靴下や手袋をはめているような感じ」、「足が冷える」、「体の中を水が流れる」、「蟻が這うような感じ」などという表現が用いられます。
しびれ感に代表される感覚障害は、皮膚から大脳までの各レベルに神経系の異常で起こる可能性があります。次に考えられる神経障害部位と原因疾患をあげておきます。

A-末梢神経障害
  1. 単一末梢神経障害 : 外傷による神経切断、悪性腫瘍や周囲組織による絞扼性神経障害
  2. 多発性神経障害 : ウイルス性疾患、重金属・有機溶媒、農薬(DDT、BHC)などによる中毒、ハンセン氏病、レイノー病、膠原病などによる血流障害の他、糖尿病による神経障害があります。特に薬剤や食事療法でコントロールできない糖尿病では、下肢の深部知覚(筋肉や関節の動きの知覚や振動覚)が障害され、のちには血流障害も加わってきます。
  3. 脊髄後根障害 : 椎間板ヘルニア
B-脊髄性障害

脊柱の脱臼、骨折、カリエスなど

C-大脳性障害

脳血管障害、脳腫瘍など

整形外科・脳神経外科・神経内科・内科などでご相談ください。

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肩こり

肩こりには、疲労、外傷、同一姿勢といった誘因がある場合が多いのですが、全く原因の分からないケースもあります。 体型的には首が細く、なで肩の人に多く、肩の筋肉(僧帽筋)に局所的に硬結や圧痛が認められます。 肩こりを引き起こす代表的疾患について述べます。

頸肩腕症候群

タイピスト、プログラマーなど長時間にわたり上肢を同一に保持するような職業では肩こりが起こりやすく、さらに職場での環境因子、ストレスが加われば症状は強くなり、頭痛、吐き気、手のしびれを伴う場合もあります。治療法は、適宜の休息、筋肉のストレッチングがあります。外来には、肩こり体操のパンフレットを用意しています。さらには、マッサージ・ホットパックを行う理学療法や薬物治療があります。

胸郭出口症候群

腕の神経や鎖骨下の血管が鎖骨、第一肋骨とその周りの筋肉で構成される胸郭出口を通過する際に圧迫され、頚、肩、腕の不安愁訴を訴える状態です。また、頚椎横突起や周囲組織の硬化という先天的な原因によって起こることもあります。症状としては、肩甲帯のこり、上肢のしびれ、倦怠感、易疲労感、手のむくみがあります。治療法は頸肩腕症候群の場合と同じです。

さらに、肩こりが高血圧、更年期障害、自立神経失調から起こることがあります。まずは整形外科を受診してください。また閉経前後の女性では婦人科も受診ください。

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爪の異常

爪は指先にあって厳しい作業環境におかれるとともに、発育の大変旺盛な部分なので、いろいろな内臓の病気に影響されます。たとえは貧血があったり、高熱が続いたり、体力を消耗するような病気にかかった時は、爪の発育が悪くなります。爪の変化を原因別に記すと次のようになります。

感染による爪変化

爪白癬、爪カンジダ症、化膿性爪周囲炎、陥入爪など

良性腫瘍による爪変化

爪下グロムス腫瘍、爪下外骨腫など

悪性腫瘍による爪変化

悪性黒色腫

先天性爪形成不全

爪膝蓋症候群、先天性爪甲硬厚症など

その他

爪甲横溝、さじ状爪、爪甲剥離症、太鼓ばち指、爪甲点状凹窩、爪甲鉤彎症など

このうちで、爪の異常をきたす代表的な疾患である爪白癬と爪ガンジダ症についてとりあげてみます。 どちらも症状としては、爪の混濁、肥厚が特徴です。痛みやかゆみなどの自覚症状を伴わないので、放置する場合が多くみられます。
原因は、ともに真菌、いわゆるカビの感染です。爪カンジダ症に関しては、約半数に爪周囲の炎症を合併していることが多く、水仕事が誘因の一つになっています。両疾患ともに、放置していて自然治癒することはありません。治療は、抗真菌剤の内服や外用を根気よく続けることです。

皮膚科を受診してご相談ください。

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