患者さまへ

TO PATIENT

肺・呼吸

脈が乱れる

脈がおかしいと感じた時は、慌てないで脈をみてみましょう。
慌てていると正確に脈が測定できないことがしばしばあります。そうならないように、日頃から脈拍を測定することも大事だと思います。

脈を手首ではかってみてください。
30秒間でいくつだったか、または1分間でいくつだったかをみましょう。 脈の異常で、意識がボーっとしたり、意識を失いそうになった時には、直ちに病院での適切な治療が必要になることがあります。
これらの症状は、脈拍が異常に少ない時や(1分間で40以下)反対に脈拍が異常に多い時に(1分間で150以上)しばしば、見られます。
しかし、一般的には脈の異常で緊急的に治療が必要になることは多くはありません。ドキドキと動悸がすると感じていても、脈が規則正しく正常だったり、それ程、脈拍が多くなかったりすることも(例えば1分間で100ぐらい)よく見られます。
この場合は、心臓には問題ないことがほとんどです。何かに不安になったり、心配していることがあったりして精神的な原因でドキドキと動悸を感じていることが多いようです。

その他、熱が出ている時や貧血がある状態で体を動かしている時、甲状腺の病気の時にも動悸を感じたりします。これらの場合は、原因となる病気の治療を受けることが大切です。
また、心筋梗塞症(生命に関わる病気)でも動悸を感じたりすることがあります。(胸痛の項目を読んでください)動悸がして、脈拍が多い場合(例えば1分間130以上)は、頻拍発作のことが多いです。病院での検査と治療が必要になることがあります。この頻拍発作は一つでなく、たくさんの頻拍を起こす不整脈が含まれています。動悸が始まった瞬間がわかる場合は、大きく息を吸い込んで息を止めてそのままグッと気張ると動悸が突然おさまることもあります。これらの頻拍発作は、繰り返し出現することが多いため、このようにして、動悸がおさまっても循環器科で検査を受けることをお勧めします。

また、この頻拍発作の中には、まったくでたらめ(不規則)に脈が打っているものがあります。この不整脈は、心房細動と言います。心房細動には、心臓内にできた血のかたまり(血栓)が飛んでいく病気(脳梗塞)がおこることがあります。特に、お年寄りの方が、この心房細動にかかられた場合、続発する病気をおこさないように予防的な治療が必要になります。
脈が一瞬とぎれたり、止まったりして動悸と感じることもあります。この場合は心配のないことが多いです。あわてないで心電図検査を受けてください。
脈拍の異常があり、心電図検査でその異常が確認された時、その脈の異常を引き起こす別の病気が隠れていることもあります。そのため、心電図検査以外の検査も必要になります。

いずれにせよ、成人病年齢に達したら、心臓の病気が隠れている場合がありますので念のため心臓検診を受けてみることも大切です。

突然の呼吸困難

呼吸とは、空気を吸い込み、肺で血液に酸素を取り込み、心臓のポンプの働きで体の各所へ酸素を送り込むことです。しかし、息苦しいという症状は、胸部の圧迫感、胸の重苦しい感じ、胸部の鈍痛、しめつけられるような感じなど、いろいろな場合の表現としても用いられます。
実際の呼吸困難の症状は、鼻や喉の異常や、気管・気管支・肺の病気や、心臓・血管の病気、貧血、肺を膨らませるための筋肉や神経の病気、腹部からの圧迫、時には精神的な原因によっても起こります。

突然の呼吸困難を起こす主な病気を次にあげますが、緊急な処置を要するものも含まれており、適切な判断が必要です。

元気なお年寄りが食事中に突然呼吸困難に

のどや気管に何かがつまった ➡すぐ出させて耳鼻咽喉科・呼吸器科へ

胸の痛みや圧迫感・動悸を伴う

心筋梗塞・狭心症・心不全・肺梗塞など ➡循環器科へ

健康な人が突然片方の胸が痛くなったと思ったら以後息苦しくなり改善しない

自然気胸 ➡呼吸器科へ

呼吸困難発作が反復して起こる、ぜーぜーという

気管支喘息 ➡呼吸器科へ/心不全 ➡循環器科へ

胸を打ったなどのきっかけがある

肋骨骨折 ➡整形外科へ/血胸(胸の中に出血がたまる) ➡外科へ

お酒を飲んでいて急に息苦しくなった

急性アルコール中毒 ➡救急へ
不整脈や狭心症・心筋梗塞・高血圧の発作 ➡救急・循環器科へ

若い健康な人が興奮し呼吸が速くなり手足がしびれるというが、顔色が良い

過換気症候群 ➡呼吸器科へ

受診をお勧めする診療科

咳・痰・血痰・喀血

咳は、気道に入った異物や気道の内にある分泌物を外に出そうとする生体の防御反射の一種です。 ひとくちに咳といっても、人間の体にとって有用な咳と、有害な咳があります。気道に異物が入った時、これを体の外へ排出するためにでる咳は有用な咳です。
また肺に感染症のある時、肺の中で細菌等と体との戦いでできた細胞の死骸を粘液に包んで痰として体外へ運び出す時にでる咳も同じ有用な咳といえます。また、頭痛・腹痛・不眠や食欲低下などが起こってくるような咳は有害です。咳自体が体に害を与える場合はもちろん治療を必要としますが、咳の原因となっている病気そのもの。

例えば、肺炎が原因で咳がでている時は、この肺炎を治す必要があるわけです。乾いた咳(からぜき)や湿った咳(痰を伴う咳)が続く時、けいれん性の咳がでる時などは、治療の必要のある病気があるかもしれません。

痰は、気管や気管支、それに肺胞などからの分泌物などが、気道を通って排出されるものです。やはり咳と同様に、一種の生体の防御反応です。うみのある(膿性痰)、血のまじった痰や変わった色の痰(赤、緑、褐色など)がでるような時は、重大な肺の病気の可能性が考えられます。

血痰、喀血は肺、気管、気管支からの出血によるものです。喀血する病気といえば結核を考えやすいのですが、その他さまざまな原因によるものがあります。しかし、鼻、口の中やのどからの出血が痰に混ざることが多く、 また、胃など消化管からの出血が喀血と間違われることもあり、注意が必要です。血痰、喀血がでる場合は呼吸器科を受診ください。(呼吸器科)

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